INTERVIEW

短所を長所へと変える心の持ち方
佐藤寿人 × 田中秀道
-前編-

誰にでも、短所は存在する。しかし見方や捉え方によっては、それは長所となり武器にもなり得る。そもそも、短所がすべてマイナスと捉えるところから疑う必要があるのではないだろうか。今回は、小柄ながらも第一線で活躍してきたお二人によるクロストークをお届けする。裏をとる絶妙な動きでゴールを量産し、Jリーグ得点王に輝いた元サッカー日本代表の佐藤寿人さん。そして、ドローボールを武器に300ヤードを飛ばし、世界のトップ125が集まる世界最高峰の米国PGAツアーで活躍してきた田中秀道プロ。短所を長所へと変えて活躍してきたお二人に、逆境にも負けない、強い心の持ち方について聞いた。

 

恵まれない少年時代に描いた、プロゴルファーへの将来設計

──本日のテーマは「短所を長所へと変える心の持ち方」です。まずは、田中さんがゴルフを始めたきっかけについてお聞かせください。

田中 小学5年くらいの時に近所の空き地で、友達とプラスチックのボールをポコポコ打って遊んだところからですね。それを父親に話したら、打ちっ放しの練習場に行かせてくれました。それで上手く打てたので、「じゃあ本気でやってみよう」という流れになったのです。野球やバレーボールもやっていたのですが、ゴルフには違った楽しみを感じましたね。ただ、本格的なゴルフを簡単に始められるような家庭環境ではありませんでした。それも短所の一つかもしれませんが、僕の中では良かったなと思っています。

 

──ゴルフは男女ともに日本選手が世界で活躍していますね。ゴルフを始める人も増えていると思います。やはり、環境は大事な要素でしょうか?

田中 そうですね。僕がゴルフを本格的に始めた中学1年の時は、ジュニアゴルファーはあまり多くありませんでした。子どもがゴルフをすることに色んな見方をする方がいましたし、経済的な問題もあったので。ゴルフ場の芝生で打たないと上達は難しいですが、簡単にはゴルフ場へは行けませんでした。毎日打ちっ放しで練習するにも、当然お金がかかります。今だとジュニアが無料で練習できる場所もありますが、その当時は無かったんです。それで、打ちっ放しの裏のネットや、バンカーのある所で打たせてもらったりしましたね。15歳からキャディーのバイトをしながら、ゴルフを続けていく状況でした。順風満帆ではありませんでしたね。

 

──プロを目指そうと思ったのは、中学2年くらいからでしょうか?

田中 そうですね。「プロゴルファーとして成功して、流れを変えたい」という意識が14歳くらいで芽生えました。まずは広島の瀬戸内高校で、強いゴルフ部に入って頑張る。高校を卒業したら、そのまま18歳で広島を出て、研修生になる。そして20歳までにプロになって、25歳までに国内で優勝して、30歳までにアメリカに行く。そんなことを、14歳の時には考えていました。なぜそこまで思えたのか、今となっては不思議です。結果的には、瀬戸内高校に入って、20歳でプロ入りして、24歳で初優勝して、31歳でアメリカに行きました。そこまでは順調だったのですが、今は辛い状況です。当時から85歳くらいまで考えておけば良かったなと思いますね(笑)。

佐藤 いえいえ、十分すごいですよ(笑)。

田中 「この時点でここまで行くぞ」と明確になっていたからこそ、それだけ順調に進められたのだと思います。「今日はこれだけやればいいんだ」と考えられたので。キャディーのバイトが終わって、夕方にゴルフをやらせてもらう状況でしたが、僕が強くなるためには最高の環境でしたね。当たり前のことが中々できないから、少ない時間でも集中してできました。

 

──なるほど。逆算の発想ということですよね。

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