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野澤武史×ニールソン・ブレンデン×伊達圭太│「状況判断ができる選手を育てるコーチングメソッド 」

 

状況を変えながら飽きさせない練習の工夫

野澤 「状況が変わる」というキーワードが出ました。ここがコーチの腕の見せ所だと思います。日本の指導者は、同じ練習をたくさんやるイメージがあります。たとえば4対3の練習にしても、いつも同じ位置にマーカーを置く。一方いいコーチは、その時々で状況を変えていく。マーカーを前に移動して、ラインブレイクの状況を作ったり、急に狭いスペースにしてみたり、ディフェンスの人数を一人増やしたり。そういう「変わる」ことに対して、判断しないといけない状況をつくるのが、ブリ先生は上手いと思います。

ブリ ニュージーランドだと練習は火曜・木曜の週2日だけですが、日本だと週に6日。だから、繰り返し練習以外にも取り入れて、生徒を飽きさせない工夫が必要です。たとえば4対3の練習なら、ディフェンスの状況にバリエーションを持たせます。思い切りプレッシャーがかかる状況にしたり、ディフェンスが深く戻らないといけない状況にしたり。一方でテクニックを鍛える練習は繰り返す必要があるので、「これ繰り返しやるよ」と伝えてからやります。

野澤 テクニックの練習は、先に繰り返しだと伝えるのはいいですね。「この練習は繰り返しだけど大事」と先に分かっていれば、選手も「またこれかよ」となりませんから。上手いやり方ですね。

ブリ 「覚えていきましょう」と言います。慣れてない子は時間がかかるけど、回数を重ねるうちにどんどん上手くなります。

野澤 いいですね。4対3の練習と言えば、先日圭太先生は「ビッグマン&ファストマンキャンプ」を一緒にやりましたね。日本ラグビーフットボール協会がやっている、大きい選手と速い選手を発掘・育成するキャンプ。そこで、「4対3の練習をチームですごくやっています」と話していましたよね。今のブリ先生のお話を聞いて、いかがですか?

伊達 僕も、状況を変えることを大事にしています。たとえば、4対3でもアタックメインか、ディフェンスメインかで全然違います。前段階の話ですが、完全に未経験の子もいれば、経験者の子もいる。僕自身のゴールは、生徒がラグビーを好きになること。好きになれば難しいことが楽しくなるし、どんどんやるから考えて動く力も身に付きます。選手に失敗しても怒りはしませんが、そういうことを意識しながら「それ、こうやったらこうじゃない?」とすり合わせることがすごく大事。ブリ先生のお話にもあった、状況を変えながら飽きさせない練習は、すごくいいなと思っていて。飽きさせず、失敗させながら、成功体験も積ませながら。時には詰め込んだり、不完全燃焼で終わらせたり。毎日どうやるのがいいかなと考えていますね。

ブリ いいですね。やっぱり楽しくやらないと学べません。やらされるよりも、自らやるように誘導するのがすごく大事。毎日楽しくグラウンドに出て、やりたいことをやれるのが幸せだと思います。

野澤 「すり合わせ」というキーワードがありました。選手とコーチのすり合わせもあれば、選手と選手のすり合わせもありますよね。状況判断で難しいのは、絶対的な正解がないこと。その時々で、最適解を出していく必要があります。その辺り、圭太先生が何か気を使っていることはありますか?

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