これからの時代に対応できる人材育成論②~ボトムアップ型の本論~

これからの時代に対応できる人材育成論②~ボトムアップ型の本論~

練習メニューからメンバー選考まで”選手に任せる”堀越高校サッカー部。 就任わずか3年で全国大会に出場に導いた指導法。両者に共通する”選手主導”のチーム運営における、リーダーの役割や組織風土についてお二人にお話しを伺いました。

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冒頭特別公開

――ボトムアップ型を取り入れようと思ったきっかけは?

佐藤 堀越高校のサッカー部に携わるようになって、選手たちから“やらされている感”や「きついものから逃げよう」という姿勢を感じました。目標設定もないなかでただ部活動を3年間やり過ごしていくことが学びにつながっているのかなという疑問を感じたんです。堀越高校に来る前、当時社会人リーグの長野エルザサッカークラブ(現・AC長野パルセイロ)でヴァルデイルさんというブラジル人の監督と仕事をしていました。彼は選手をとても大事にしていて、当時仰っていた「選手に気持ちよくプレーしてもらえなかったら僕らは仕事ができない」という言葉が私の中で大きく心に残っていました。

それを部活動で表現できないかと模索していくなかで、畑喜美夫先生(ボトムアップ理論を提唱し、公立の広島観音高校を全国制覇に導いた)からやり方や在り方を学び得て、それを堀越の現状に合うものに少しずつカスタマイズしながら落とし込んでいきました。本質的なところでいうと“やらされている”のではなく“自分たちから”学び取りに行って、そこに対して結果や成長を結びつけていくという方法論が必要な時代なのかなと感じています。

――星野さんはラグビーの世界で、静岡の聖光学院高校に行かれたときに“0から”の状態だったと伺っています。

星野 私はどちらかというと、いろんな指導者の方が通過される、最初に一生懸命勉強して、勉強したことをとにかく教えたがる『ティーチング』をしていました。ですがティーチングだと、教えられていないことを相手がしてきたときに何もできなくなってしまうんですよね。そうすると選手がベンチのほうをチラチラ見たり、私のほうを見たりというところにすごく限界を感じました。

その次に戦術・戦略といったフレームを作って、その中で生徒たちが動きやすくするという『コーチング』の段階を経ました。それからすぐに経営サイドのほうに入りましたので現場を離れて、私の後任の指導者たちのもと週3日の練習となりました。練習時間が短いので、グーチョキパーでいうとグーしか仕込めない。相手がチョキのときはいいですが、グーとかパーを出してきたときにじゃあ次はパーを教えるかというと、正直きりがなく、ティーチングもコーチングも限界がありました。

それからはグラウンドで指導者といる時間が短い=指導者といない時間が長いと考え、オフザピッチのところで人間力を高めて、主体性やクリエイティビティで勝負しようという方向性を決めました。後任の指導者の方も一生懸命やってくれて、先ほど佐藤先生からもお話しがありました畑先生と一緒にボトムアップの活動をさせていただいてというところです。

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