日本で最初に「コーチング」を持ち込んだ日本最大のコーチングファーム「コーチ・エィ」の代表を務める鈴木義幸氏。課題の複雑化、ダイバーシティ(多様性)、イノベーションの必要性が求められる現代社会において、人の主体性に働きかけるアプローチは必要不可欠だ。これまで200人を超える経営者のエグゼクティブ・コーチングを行い、企業の組織変革を行ってきたコーチングのスペシャリストが、スポーツの領域を例にコーチング・スキルを連載形式でお届けする。
目次
監督に課せられる大きなテーマ
スポーツのチームには、通常、監督とコーチから構成される幹部チームがあります。企業でいうところの、社長と役員から構成される経営チーム。スポーツのチームが、チームとしてのパフォーマンスを高め、結果を手にするためには、一般的にはこの幹部チームが「良いチーム」になっている必要があります。
「良い幹部チーム」とは、幹部チームのメンバーがお互いをリスペクトし、一つの目標に向かって力を合わせているチームといえます。ところが、実はこれがなかなか難しいのです。
考えてもみてください。日本の場合、監督もコーチも、大抵はかつての名選手です。競争を勝ち抜き、その種目の歴史に名前を残した人たち。だからこそ、それぞれに信条があり、ポリシーがあり、一家言がある。そんな人たちがチームとしてまとまるというのは、そう簡単な話ではありません。監督が言ったことに対して、コーチが「はい、はい」と単純に聞くかいうと、怪しいところがある。コーチ同士も、そう簡単にはお互いに同調しません。表向きは首を縦に振っていたとしても、本心は違う可能性がある。
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