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名波浩×福田正博×大山加奈│「見守ってあげる」ことが子の選択肢を生む

元サッカー日本代表の名波浩氏を進行役に、豪華ゲストがスポーツが持つチカラについて解き明かす。第三回はサッカー界から“ミスターレッズ”こと福田正博氏と、“メグカナ世代”と称され日本女子バレーボール代表で一時代を築いた大山加奈氏を招いて、スポーツと成長のチラカについて迫る。(※2020年9月に収録)

「言われたことをやりたくなかった」
野球からサッカーに切り替えて大成功

名波 本日、一人目のゲストは、現役時代「ミスターレッズ」の愛称でも親しまれ、Jリーグ日本初の得点王にも輝いた、福田正博大先輩です! まずはサッカーを始めたきっかけをお伺いしたいです。

福田 僕は、小学校5年生の11月にサッカーを始めました。それまでは野球をやっていたんですけど。当時、神奈川の横浜から藤沢に引っ越して、転校先の担任の先生がサッカーを教えている方でした。週末だけ野球をしていたんですけど、それ以外は特に何もしていなくて。それでいて僕は結構食べる子で、給食でおかわりをするたびに先生に、「そんなことしていると太るぞ」と言われていました。それで、「サッカーやれ」って。ある意味強制ですね(笑)。

名波 うんうん(笑)。

福田 だからその先生に出会っていなかったら、僕はサッカー選手にもなっていないし、サッカーもやっていないです、多分。プロ野球の選手を目指していたと思いますね。

名波 もともと、引っ越す時は野球をやろうと思っていたんですか。

福田 (引っ越したのが)5年生の終わりぐらいだったから、あと1年ちょっとはもともといた横浜のチームで野球を続けようと考えていました。でも、その転校先の担任の先生に1か月くらい口説かれ続けて、その熱量に押されて嫌々(サッカーを)始めたんです(笑)。でも、その後1か月もしないうちにサッカーが好きになりましたね。

名波 年齢を考えたら40年以上サッカーに携わっていることになるじゃないですか。最初のきっかけは先生からの勧誘だったとしても、何が楽しくてのめり込んでいったんですか。

福田 質問うまいねえ(笑)。(サッカーを)始めて1か月くらいしてから、もう野球をやらなくなっちゃったんですよ。理由としては多分、性格でしょうね。野球は、例えばバッターボックスに立ったりランナーに出たりすると、サインが出るじゃないですか。

名波 そうですね。

福田 僕は、言われたことをやりたくないんですよ、ひねくれてるから(笑)。言われたことと違うことをして結果を残したい、という気持ちをエネルギーにしてやっていく性格なんです。

名波 ひねくれ者にも「いいひねくれ者」と「悪いひねくれ者」がいますけど、福田さんは前者なんでしょうね。

福田 サッカーってピッチに立ったら自由じゃないですか。監督が何かを言っていることもあるけど、僕は聞いちゃいないから(笑)。埼玉スタジアムとか6万人もいるところでプレーをするとなると、(監督の指示なんか)聞こえないですし。

名波 あははは(笑)。そうですね。

福田 例えば野球のように誰かの指示でプレーしたら、極端な話、失敗しても人のせいにできる。でもサッカーの場合は自分で判断してプレーをして、その結果の責任は自分で負わないといけない……そういうスポーツが、僕の性格に合ってたんです。あと、僕は足が速かったので、それを野球よりもサッカーの方がより活かせた。これは大きかったと思います。

名波 おお、なるほど。

福田 最初に指導してくれた人も、「蹴って走る」という単純なスポーツだったサッカーの中で、技術を大切にするような指導をしてた方で。そういう方に出会ったというのも、サッカーを好きになった一つのきっかけかもしれないですね。

名波 ちなみに、福田さんの身体能力の特徴とか、「ひねくれ者である」という自己分析は、何歳くらいからしていたんですか。

福田 今くらいかなあ……50歳過ぎてから(笑)。もっと早くわかっていたら、もっと活躍しましたよ。

名波 あははは(笑)。

福田 自分のこと理解していなかったんですよね。賢さがなかったんですよ。感覚でやってた感じなんで……今振り返ると、「もう少しいろんなこと考えてやってればなあ」って思います。後悔はしてないですけど。

名波 でも、いい方に流れてますよね。

福田 成功したこともうまくいかなかったことも、それを全部受け入れて、次へのエネルギーに変えられるか変えられないか、それがポイントだと思っていて。(結果を)ネガティブに捉える選手は、成功を収めていくことはできないと思うんですよね。

 

何も言わないことも親の愛情
見守る親心が伸ばしたサッカーの才能

名波 なるほど。ちなみに福田正博少年時代は、親御さんにレクチャーされたり、「こうしなさいよ」というような方向性を示された言葉とかありますか。

福田 うちの親のすごいところは、何も口を出さなかったところです。両親はサッカーをしていなかったから、ああしろ、こうしろ……とは何も言われなかったですね。当時は仕事も忙しく、今の親御さんのように子どもの教育に時間を割けなかったんでしょうね。それが僕の性格的にはよく合っていたんだと思います。

名波 ちなみに、福田さんご自身は娘さんが3人いらっしゃいますよね。福田さんの運動神経を継いだ子はいるんですか。

福田 いないです(即答)。

名波 (笑)。

福田 長女はあんまり足が速くないけど、次女と三女は速かったです。だからと言って球技に長けていたとか、ずっと一つのスポーツにのめりこんでいたようなことは3人ともないから、どれくらいスポーツができたかっていうのはわからない。一回だけ長女がテニスをやっていた時に観戦に行ったんです。テニスなんて知らないけど、やっぱりいろいろ目につくじゃないですか(笑)。

名波 そうですね(笑)。

福田 それで気になったところを指摘したら、あんまりいい顔をしなくって。そこから、もう子どものスポーツを見に行っても、一切何も言わないって決めたんです。「(そのスポーツを)嫌いになったらいけない」と思って。もともと(仕事的に)細かいところを見ちゃうので……自分の子どもだと特に力が入っちゃって、ダメ出しが多くなったりしちゃいますし。

名波 うちの長女も中学生時代テニスをやっていて、2回くらい見に行ったんですけど、僕は一切何も言いませんでした。長男がサッカーをやっているんですけど、やっぱりサッカーのことは言っちゃいますね。

福田 やっぱり……専門ですからね。

名波 はい。だけど、そんなに深いことは言いません。「もっとボールに関われ」「奪われたら奪い返せ」「ずっと声を出し続けろ」この3つを小学生の頃からずっと言ってるだけです。

福田 人間って3つ以上は頭に入らないらしいですからね。それを的確に3つ挙げるっていうのは、名波さんらしいですね。

名波 いやいや(照)。今、サッカー以外にもテニスとか他の競技の話題が出ましたが、他の競技などの経験をサッカーに活かせたな、っていうことはありますか。

福田 僕が育ってきたところって自然が多くて、いろんな世代の人といろんな経験をしたんです。その時の経験っていうのは活きたと思いますね。例えばフェンスの上を歩くこととかは、傾きなどの状況を見なければいけないし。いろんな怪我もしたけれど、それがまた経験になるし、学びにつながります。でも今は親御さんが先回りして「怪我をしないように」と予防策を張る。そうすると「免疫」がつかないんですよね。そういうことを考えると、自由に遊べる環境の中で育ってこれた経験は、サッカーをするにしても自分にとっても、プラスになったと思っています。

 

引きこもりからの脱却
バレーへの情熱は親を説得するほど

名波 本日もう一方、特別に素敵なゲストをお呼びしているので、登場していただきましょう。元バレーボール女子日本代表、大山加奈さんです! 

大山 こんばんわ。よろしくお願いします。

名波 福田さんと重なる質問もあるかもしれないんですけど、まず、幼少時代の話をお聞かせ願いたいです。なぜバレーボールを始めたんですか。

大山 大きかったからです(笑)。

一同 アハハハ!(笑)。

大山 今身長187cmあるんですけど、小6で175cm、小学校に入学した時点でも138cmあったんです。入学したらすぐに学校中の噂になりまして、バレー部の先輩が熱心に誘ってくれたのがきっかけです。

名波 小学校に入学してすぐにバレーボールを始めたんですか。

大山 誘ってもらったのは入学してすぐだったんですけど、私実はすごく体が弱い子で。喘息を持っていて吸入器が欠かせないような子だったんです。なので両親が体のことを心配して、バレーボールをすることに反対をしました。その時一度諦めたんですけど、どうしてもバレーボールをしたくて、小学校2年生に上がった時に「絶対にやめないから、お願いします!」と両親を説得してバレーボールを始めました。

名波 身長があった中で、自分の特徴を活かせるスポーツはバレーボールだと……。

大山 当時、体が弱くて家に引きこもっていることが多かったんです。友達がいなかったので。先輩に誘われて練習を見に行った時に、「バレーをやったら友達ができるかもしれない」って思ったのが、大きなきっかけでした。

名波 親御さんはスポーツをやってらしたんですか。

大山 父は昔少しバレーボールをやっていたそうです。でもずっと隠していて……ある時写真を見つけました。言いづらかったのかなって思います。

名波 福田さん……そんな大山さんの親御さんですけど、病弱な娘には無理してほしくないってことで、バレーボールやってほしいっていう反面、「体のことを考えろよ」ってところを本人の意思で始め、オリンピアまで行ったわけですよ。

福田 「辞めないから」っていう大山さんの言葉に「じゃあ……」って言って決心したところもあるんじゃないですかね。子どもがどうやって意思表示をするかっていうところは、親が見ていかなきゃいけないんじゃないかな。与えすぎちゃいけないわけですし。親に「辞めるな」って言われたら苦しくなりますよね。

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