海外での活躍できる選手とは果たしてどんな選手なのか? そこで実際に子どもがレアルカンテラ(レアル・マドリードの育成組織)に所属するホセ氏と、幼少期の育成に関わったEDモラタラスで育成ダイレクターを務めるトーレス氏を招き、世界最高峰のチームに所属するために必要なことを深掘りした。(※2021年1月に収録)
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餅は餅屋に、サッカー指導はサッカー指導者に
──メソ選手がサッカーを始めたのは「モラタラス」というクラブだったとうかがっています。父親のホセさんがメソ選手をモラタラスに入れた理由やきっかけは?
ホセ モラタラスは小さい時からサッカーを学べるクラブで息子が楽しくサッカーをやれる環境を考えてくれましたね。選手を成長させることにフォーカスしているので、すごく良いクラブだと思います。でもモラタラスに入った当時は、レアル・マドリードのようなビッグクラブに行くとは予想していませんでした。
──トーレスさんはモラタラスの育成ダイレクターをされていますが、どのような指導方針をお持ちなのでしょうか?
トーレス モラタラスでは、私たちにしかないフィロソフィーを15年ほどかけて構築してきました。サッカー選手を育てるのはもちろん、人間としての教育にもフォーカスしています。そのフィロソフィーを、すべての年代に対する指導に落とし込んでいるのです。たとえば、攻撃時にボールを長く保持するやり方とか、ボールを失った後にすぐに奪い返すやり方を、小さい頃から徹底して教えています。
──「人間としての教育」とは?
トーレス モラタラスは人とのつながりを大切にしており、選手間でのコミュニケーションを積極的に取らせています。たとえば、8カテゴリーあるチームの選手をすべてミックスして、大会形式で試合したりします。レアル・マドリードに入ったメソ選手のようなレベルが高い選手でも、それよりも下のカテゴリーにいる選手と触れ合うことで、助け合いを学びます。そして将来につなげていく、ということを小さい年代から実施しています。
──サッカーを通して助け合いを教えているのですね。モラタラスでは、保護者とのディスカッションもしっかりされていると聞きました。
トーレス そうですね。シーズンのはじめに親御さんを集めてプレゼンテーションを行い、クラブの方針や存在価値、育成環境などについて伝えます。ユース年代では8チームありますが、すべてのカテゴリー共通で1時間半くらいの会議です。親御さんがどのようなチームに子どもを入れているのか把握してもらいます。
──メソ選手をクラブに預けたら親御さんは一切口出ししないのでしょうか?
ホセ 私自身サッカーを熟知しているわけではないので、口出しすることは基本的にありません。モラタラスにいる指導者はサッカーを良く理解しているので、一任していました。モラタラスの指導者が息子を成長させてくれたからこそ、ステップアップできたと思います。
選手として表現することがステップアップの鍵
──メソ選手は8~9歳はモラタラスに在籍し、10歳から「ラージョ・バジェカーノ」に移籍。ラージョは強いチームだと思いますが、移籍した経緯をお聞かせいただけますか?
ホセ 「カンテラ」と呼ばれるスペインのサッカー育成に携わる育成組織のチームには、スカウティングする人が多く存在します。そういう人たちが毎週のようにクラブへ足を運んで選手を観察しているのですが、たまたま私の息子に目が留まったようです。ある時電話がかかってきて、「入団テストに参加してほしい」と言われました。入団テストに参加した結果、いいプレーが続出したのでラージョとの契約が決まりましたね。
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