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森重真人×辻秀一│「心の乱れない組織づくりとは?」

成功という「結果」よりも、その「過程」を褒めることが大切

 森重選手は、昔はどんな子どもだったのですか?

森重 子どもの頃は他人よりもちょっとサッカーの技術が優れていたので、とにかく自分にパス出せと(笑)。全部自分でやって、自分がミスして負けたら仕方がないという感じでした。ただ、子ども自身の性格にもよりますが、指導者も大きな要素だなと感じます。当時の指導者には、「何回ミスしてもシュートを打ち続けろ」と言われていました。シュートを打って外すことはミスじゃなくて、外して次のシュートを打たないことがミスだと。すごく記憶に残っている言葉ですね。

 素晴らしい指導者ですね。日本の指導者は、成功体験をできる限り早く積ませたいと考える方がすごく多くて。結果を大事にして、勝ったらうれしい、成功したら楽しいと教えるのが指導だと思いがちです。でも実は、一所懸命チャレンジすることを教える方が、森重選手のようなトップアスリートに育てていくためには大事。先に結果や成功を大事にしてしまうから、「ミス」という概念が生まれるのです。チャレンジして一所懸命シュートを打つことが大事だとすれば、そこに失敗やミスという言葉はありませんよね。ジュニア世代を教える指導者の多くが、その呪縛に陥っていると感じます。一方でその呪縛から解放されていると、森重選手や田中理恵さんのように伸び伸びやれます。

 

一回も挑戦しなければ、一回もミスしないことになる

――ミスのイメージが強いから、どんどんやらなくなってしまう。そのまま大人になるとミスを優先的に考えてしまい、チャレンジしなくなって成功体験もなくなって、成長も鈍化する。一概には言えませんが、負の連鎖が起きるリスクがあるのですね。

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