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野口啓代 × 二ノ丸友幸│「スポーツ経験を活かすキャリア形成 」

見る人とやる人は別? 競技普及の考え方

──スポーツのはじめ方は「友達がやっていたから」「たまたま公園で出会ったから」など十人十色ですね。

二ノ丸 はじめてもらえれば、あとはどう続けてもらうか。ラグビーも考えないといけません。2019年のワールドカップで素晴らしい結果となりましたが、それでラグビー人口は増えたと思いますか?

野口 観る人は増えても、やる人はあまり増えていないかも、と思っています。私だったら「痛いのはちょっと嫌だな」とか正直思ってしまいますね(笑)。

二ノ丸 そうなのですよね。2019年に日本ラグビー界が盛り上がったものの、ラグビー人口自体はそこまで増えていません。「ワールドカップの弊害」と言われていて、「危険だな」「怖いな」というイメージも付いてしまったのです。「観るのは楽しいけど、やるのはな」という子どもが多くて。高校の先生も、部員集めに苦戦しているようです。以前は「楽しいし、思っているほど痛くもないよ」とごまかせましたが、今では皆テレビで試合を観てしまっているので。「いや、あれは痛いですよ」となって、今までの勧誘方法では上手くいかない。

野口 難しい問題ですね。

 

──スポーツの中身は変わりようがありませんからね。野口さんの場合は、クライミングの良さをどう伝えますか?

野口 クライミングは始めるハードルが実は低くて、はしごが登れればできるんですよ。お子さんでも3、4歳から始められますし、60、70代から始める方もいます。私も、趣味の延長でクライミング競技に入りました。楽しい筋トレ、エクササイズみたいな感じで、本当に簡単な課題から始められます。チーム戦とかでもないので、一人で好きな時にできるのも魅力です。あと今回のオリンピックで言われたのが、規則の少ない自由なスポーツということです。競技中でも、普段と同じ見た目で問題ありません。若い女の子でもメイクやピアス、ネックレスのようなおしゃれができる、個性を出せるのも魅力。私は赤いネイルが勝負ネイルでした。オリンピックの時は編み込みしていました。そして一番の魅力は、楽しく登っているうちにシェイプアップできることです(笑)。自重を支えるスポーツなので、身体が大きくマッチョになるというよりは、無駄がない着やせする体型。クライマーの方は、すらっとしていてスタイルの良い方が多いんです。唯一の嫌な点は、爪をあまり伸ばせないことくらいですね。

 

──クライミングは、体幹トレーニングにもなりますよね。老若男女問わず健康意識が高い今の日本人にとっては、ぴったりなスポーツだと思います。

野口 そうですね。全身を使うスポーツなのでシェイプアップにもなりますし、一人でも楽しめます。あとは、クライミング仲間をすぐに作れて、コミュニケーションが取りやすいスポーツでもあります。アドバイスし合ったり、「一緒に他のジムに登りに行ってみよう」「外の岩場に遊びに行ってみよう」と話したり。会社や学校とは違うコミュニティを作れるのも魅力です。私もクライミングで知り合った仲間が日本、海外問わずたくさんいます。

Getty Images

 

セカンドキャリアの成功に欠かせないのは「自己認識力」

──スポーツ選手には、「目標」と「目的」があると聞きます。この大会で優勝、こういう成績を出す、というのが目標。そして、目標を達成した先にあるのが目的。野口さんの目標は、ワールドカップやオリンピックですよね。銅メダルという素晴らしい結果も出されているので、目標は達成できていると思います。目的はいかがでしょうか?

 

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