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野村雅之│「原理原則」が生み出す選手の自律と成長

現場でのスポーツ指導において、競技のベースとなる原理原則の落とし込みはとても重要です。選手が各自の判断や発想を引き出すための共通認識を持つことは大切ですが、新入生に原理原則を伝え続けることに多くの時間と労力を要していると思います。そこで作陽高校サッカー部総監督の野村雅之氏をお招きし、原理原則という考え方や落とし込み方、チーム内共有の効率化などをテーマに、選手の自律と成長を促す「原理原則」の大切さについて語っていただきました。(※2022年3月に収録)

原理原則は、応用力の大元になる

──本日のテーマは、スポーツ選手の自律と成長を促す「原理原則」です。まずは、原理原則の定義についてお聞かせください。

 

「たとえば料理人なら、包丁の使い方や味付けのタイミングは必ず覚えておかなければなりませんよね。いきなり我流では上手くいかないから、基本のところは教わる必要があります。原理原則は応用力の大元でもあり、チームを離れて次のステージに進んだ時にも活きます。ただし、いわゆる教科書に載っていることだけが原理原則ではありません。その定義づけは様々で、チームによっても変わります」

 

──指導者によっては、決め事のようにとらえる人もいます。「このタイミングではこうしなさい」と決めつけるのとは違うんですよね?

 

「違いますね。チームによって色んなやり方はありますが、大元は一緒です。包丁さばきなどの技術は、鍛錬しないと身に付きません。選手を素材に例えればグループ戦術は、素材を混ぜ合わせて形にする。チーム戦術は、最後の盛り付けといったところです。盛り付けまでできて初めて、「お客さん」という対戦相手と向き合える。その日の対戦相手に合わせて対応していくのが、チーム戦術です。個人の技術やグループ戦術の基本的な部分を無意識に、目分量でパッとできるようにするのが原理原則だと思います」

 

──包丁の持ち方、置き方といった部分はどこでも必要になる知識ですよね。

 

「どこでも通用する技術、基本となる戦術に加えて、そういうものを学ぶ姿勢も大事になります。新しいものを学ぶ時に『こうしたらどうかな』と、工夫できるようにするまでが原理原則です。天才でもなければすぐにはできないので、ある程度自由にやってもらって原理原則を染みこませる必要があります。ベースを押さえて無意識に出せるようになれば、対戦チームやお客さんへの気配りもできると思います」

 

──原理原則を染みこませる上で、ジュニア年代はすごく大事だと思います。今の日本は小学校6年間、中学校3年間、高校3年間という育成システムですが、年代ごとに学ぶべき原理原則は決まっているのでしょうか?

 

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