COLUMN

【♯02古野俊幸│サッカーも営業も
「自分の持ち味」を知っている人は成功する/古野俊幸<後編>

個々の性格診断から人間関係を科学的に分析し、最適な組織編成・開発に応用する『FFS理論』にて、数多の組織・人材の活性化を支援してきた古野俊幸氏。この理論をベースに人気漫画の登場人物を題材に解説した「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」に続き、4月には「勉強の型」を指南する『ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型』を上梓した。企業だけでなくプロ、大学スポーツの組織編成も支援してきたエキスパートが、FFS理論をベースにスポーツから日常に応用できる自己分析、チーム編成の考え方を連載形式でお届けする。

 

#02前編はコチラ>

 

新規開拓営業で、「保全性+弁財政」が「拡散性」を上回る?

 別の切り口でも「得意」を考えてみましょう。

 Web系広告代理店での話です。

 一般的には、新規市場を開拓していくことが得意なのは、拡散性因子の高い人。既存の顧客を囲い込んで売上を伸ばしていくことが得意なのは保全性因子の高い人です。しかし、逆に「保全性の高い若手なのですが、新規開拓が得意で、売上を伸ばしている」ので、『その要因を調べてほしい』と依頼がありました。

 彼をCさんとしましょう。

 Cさんは、保全性が高い人です。会社では新人研修で営業を学びますが、座学はそこそこにして、「実践だ」と飛び込み営業をさせられました。それが嫌で仕方がなかったのです。

 それでも、経験を経て、慣れてきたことである程度売上が取れるようになった2年目です。新規開拓が主となる営業部門に異動になりました。

 この部門は、新規で顧客開拓することがミッションです。ある程度取引が続きそうだと、別の営業部門に引継がれます。

 また、「飛び込みか……」と悩んで、自分なりの方法を見つけように計画を練りました。

 分析力に自信があったこともあり(弁別性が二番目)、まず、先輩が受注したケースを分析してみました。自分なりに「一応のあたり」をつけられたので、実践してデータを取ることにしたのです。全く見ず知らずの会社に訪問するのは苦手ですが、事前にホームページで情報を集めて、「このあたりにニーズがありそうだ」と仮説を立て、それを確認する訪問ですから、飛び込み営業ほど不安ではありませんでした。

 

持ち前の分析力で新たな成功モデルを創り上げる

 十数社訪問して話を聞くと、『業種・業界が共通して、創業何年目、社員数〇〇人~〇〇人だと、ほぼ同様の課題がある』ことが判明しました。

 そこで、そのターゲットになる会社群で、先輩が受注した提案書をもらい、自分なりの最新情報を組み込んで改善した提案書を持っていくと、新規の会社でしたが、無事に受注できたのです。

 そこで、ホームページでひたすら検索して、同様の業種・業界、歴史、規模の会社に、前回受注した提案書を少しずつブラッシュアップして、持っていきました。

 そして、また受注を勝ち取っていったのです。つまり、新規とはいえ、保全性のCさんにとっては、改善の積み重ねであり、またまた相手となる〝会社が違う〟だけだったのです。

 保全性の優秀さは、成功モデルをきちんと仕上げていける体系化です。そのためには、ある程度の仮説を立てて、検証し続け、少しずつ改善していくことなのです。つまり「計画ありき」となります。

 まさに、得意を活かして、本来なら苦手になりそうな新規開拓を、見事に成し遂げたのです。

 

得意を活かせれば、「職務適正」などナンセンス

 この二つのケースを読んでいただき、得意を活かすことの大切さをご理解いただけたでしょうか?

 世間には、「職務適正」という言葉があります。『こんな職務に向く、向かない』と。これはナンセンスだと思っています。サッカーに例えると「ディフェンスに向く」とか「オフェンスに向かない」ですよね。

 私が言いたいのは、どんなポジションや職務であっても「自分の強み・得意を活かす」ことなのです。足が速く体力があるなら、『サイドバックとして攻撃参加すること』で、「唯一無二のサイドバックになれる」し、『慎重だけど分析力がある』や『雑だけとユニーク』なら、その強み・得意を活かして「営業」や「財務」や「エンジニア」として活躍できるということなのです。

 何事においても、スタートは「自己理解ありき」というのが私のスタンスなのです。

 

―♯03に続く―

PROFILE

古野 俊幸(ふるの としゆき) | 株式会社ヒューマンロジック研究所代表取締役
新聞社、フリージャーナリスト、出版社を経て、1994年にFFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のための会社を設立して、現在に至る。現在まで約800社以上の組織・人材の活性化支援。チームの分析と編成に携わった実績は60万人、約6万チームを数える。チームビルディング、チーム編成の第一人者。昨年、大人気漫画を題材にFFS理論を説いた『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる   あなたの知らないあなたの強み』(日経BP)が10万部越えの大ヒットとなり、今年4月には『ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型』(日経BP)を上梓した。

 

【スポーツと自己分析が教えてくれる「あなたをアップデートする方法」/古野俊幸~back number~】

【♯01】<前編>バドミントン元日本代表 潮田玲子さんが教えてくれた「弱みを受け入れる」ということ

【♯02】<前編>サッカーも営業も「自分の持ち味」を知っている人は成功する

【♯03】<前編>バスケに見るチームの関係性とデータ活用

【♯04】<前編>失敗を成功へと導く。リーダーに必要な「声かけ」のポイント

【♯05】<前編>シナジー(相乗効果)を生み出す関係性とは?

【♯06】<前編>育て上手になる

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