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ONLINE SEMINAR

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名波浩×清宮克幸×水沼貴史
子どもをトップアスリートへと成長させた「育成論」

元サッカー日本代表の名波浩氏をホストに、さまざまな競技のトップアスリートを迎えて「スポーツが育むチカラ」を解き明かす。第4回のゲストは元サッカー日本代表でサッカー解説者の水沼貴史氏とラグビー界の名将・清宮克幸氏。ともに選手・指導者として数多くの実績を残しながら、親としてご自身のお子さんをプロ選手に育て上げた。そんな二人が実践してきた育成論とは?(※2020年10月に収録)

子どもがそのスポーツを楽しめているのか?

名波 本日まず一人目のゲスト。ご長男が横浜F・マリノスでプレイされている水沼宏太選手、そしてご自身も当時の横浜F・マリノスで活躍された、水沼貴史さんです!  「プロアスリートのお子さんを育てた」という観点から、その過程を伺いたいです。

水沼 そこは、大きな夢としてはみんなが持っていますよね。

名波 ちなみに、水沼さんはお子さんは何人いらっしゃるんですか。

水沼 2人です。宏太が長男で、あとは娘がいます。彼女はテニスをやっていまして、アマチュアの上の方まで行きました。

名波 お子さんがサッカーを始めることになったきっかけは?

水沼 赤ちゃんの時から足元に、クッションのようなボールを置いていた……それだけです。次第に、「お父さんがサッカーをやっている」っていうのは、テレビやビデオみたいなものを見てなんとなく気づき始めたようです。そこで私が写っているビデオを自分でカセットをセットするようになって、操作まで覚えていったんです。そこから家の中でクッションのボールを蹴って遊ぶようになりました。本格的なサッカーチームに入ったのは小学生3年生くらいの時でしたね。ただ、幼稚園の時に、近所で巡回でスクールみたいなのが来たので、そこで話を聞きました。「年長さんからなんですけど」って言われたんですが、年少の時に入れてくれました……たぶん僕を見たんでしょうね(笑)。

名波 そりゃあそうでしょう(笑)。宏太選手がサッカー選手として第一歩を踏み出す時、水沼さんはどんな言葉をかけたんですか。

水沼 最初は、好きなことをやるわけだから、「楽しんで欲しい」と思いました。最初から有名チームに、ということは全く考えていなくて、とにかく「通いやすいところ」を選んだんです。だから近くの公園に来るチームに入れました。で、3年生になる頃に、テレビの番組を作っているプロデューサーの人が一つチームを持っていて、「自分のチームに来ないか」と誘われたんです。練習を見学に行った時はみんなが上手かったので、(宏太は)「入りたくない」と言いました。でも僕や妻が「とりあえず入ってやってくれば?」と勧めたんです。そしたらやってることが楽しかったみたいで、「入る」と言ったんです。34年の頃は父兄のコーチで、とにかく自由にやらせてくれていました。宏太がシュートを打っても全然入らなくて、それでも他の人は「何回もやらないと入らないからね」という風に見守ってくれたりしていました。とにかく好きなようにやらせてくれたんですよね。

名波 そうなんですね。

水沼 56年はコーチがまた変わって、少し厳しい人になったんです。ただ、厳しいんだけれど、選手の特性を見ていて、頑張れる子は頑張らせるし、上手い子は上手くできるように周りの選手にサポートさせるようなアプローチをさせていました。だから、チームには本当に恵まれていたと思いますね。宏太は5年生の頃は全国に出れたんですけど、6年生の頃は足を骨折していて出られなかったんです。自分が一番上の学年になって、全国大会を目指している時に辛い思いをしたんですよね。その時に僕がしたのは、右足をケガしていたので、左足で椅子に座らせて、ソフトボールを投げて左足に乗せる練習をさせていました。ケガをしているからこそ、普段はしないことに目を向けさせたかったんですね。

 

毎日子どもの目を見ておくことが大切

名波 親御さんからの質問や相談で「チーム選びに困る」「評判のチームに入ったけれど指導者のあたりが自分の子には強い」と感じる、というものがあったのですが、そのあたりはどう思いますか。

水沼 結論としては、「入ってみなきゃわからない」ってことですかね。最初からここはダメ、あそこはダメというのではなくて。また、僕の感覚では、通うようなところではなくて、「近所」というのも一つの基準ですね。あとは、練習を見に行って、子ども達はすごくいいと思っていても、親が「ちょっと」と思っている場合も判断は難しいですね。親の思いだけでチームを変えるのもどうかと思いますし。子どもに聞いてみて、何を言うかっていうことが大切だと思います。そのためには毎日子どもの様子や目を見ておくことも大切ですね。聞く時も子どもがどんな様子で言っているのかを判断するためには、いつもしっかりと見ておかないといけないですよね。

名波 水沼さんの子育て論というのは軸がしっかりしているんですね。

水沼 一応ね(笑)。

名波 モチベーションの浮き沈みは、どのようにコントロールするんですか。

水沼 そもそも息子はそんなに出さないんですよね。強かったと思いますよ。僕が親だからいろいろなことを言われるだろうし、SNSもあるし、悩むこともあったと思うんです。本人もいろいろと目にするとは思うんですけど、それでも自分の力で打ち勝ってきたというのもすごいと思います。あとは、小さい時から家族でいても、僕が目立ったらみんながそういう目で見られてしまうし、そこはしっかりしようと妻がよく言ってくれていました。協力してくれて、二人で息子や娘を育てていった、というのもあると思います。やっぱり、日常にどういう風に過ごしているか、どんな話をしているかということが大切ですよね。表情が変わったらすぐに分かりますし

名波 言葉のキャッチボール以外でも気づけることってあるってことですね。

水沼 子どもがいろいろな変化がありますからね。

名波 子育ての中で「学業」というところはどのように捉えていますか。

水沼 とりあえず小中は、一般的な塾には行っていましたね。ただし勉強しているけれど集中できない、という時はありました。(サッカーも勉強も)「抱えすぎ」というか、「範疇を超えちゃダメなんだな」ということは思いましたね。「やれる範囲でやる」ということを学びました。あれもこれもやると、どっちかがうまくいってもどっちかがうまくいかないんです。

名波 子どもなりにストレスも溜まりますからね。

水沼 まちがいないです。子どもは敏感ですからね。

 

幼少期に多くの種目に触れる意義

名波 ということでここまでサッカーの話で盛り上がってきましたが、もう一方、素敵なゲストをお呼びしているので、紹介していきます。ご長男が北海道日本ハムファイターズでプレイするプロ野球選手・清宮幸太郎選手で、ご自身は現在日本ラグビーフットボール協会の副会長を務めておられます、清宮克幸さんです! 

清宮 よろしくお願いします。

名波 清宮さんはラグビーで、幸太郎選手は野球と、分野が違うわけですよね。

清宮 ラグビーは生まれた時からずっと隣にあるというか……本人の意思関係なく目に入ってくるものなんです。僕の家は子どもが小学校に入るまでは共働きをしていたんですけど、両親が仕事で遅くなる時は妻の親が面倒を見ていて……その時息子はずっと野球を見ていたんです。45歳の時の幸太郎が、リモコンを手にしてずっと見ていました。お気に入りの選手の真似をしたりしていましたね。

名波 幸太郎選手は他のスポーツはやられていたんですか。

清宮 たくさんのスポーツをやらせるというのは大前提でした。スタートは、1歳になる前に水泳に連れて行って、ラグビーは3歳からでした。陸上をやったりテニスをやったり……でも実は野球はその中には入っていないんです

名波 ちなみにラグビーは、ラグビースクールっていうのがあったんですか。

清宮 ラグビースクールは……作りました(笑)。

名波 ちょっとスケールが違いますね(笑)。

清宮 当時早稲田の監督をしていたんですけど、大学の監督が子ども達を教える環境を持ってないというのは……ないよね。という感じでした。

名波 幸太郎選手が野球を本格的に始めたのは何歳の頃なんですか。

清宮 最初は小学校1年生の時にやりたいって言ってきたんですけど、練習が長いから「ダメだ」って言ったんです。他のスポーツができなくなってしまうので。あとは、そんな本気じゃないだろうと思っていました。テレビで見るプロ野球と自分でやるスポーツは共通じゃなくていいだろうと。見るのが野球で、やるのがラグビー、これでいいと思っていたんです。

 

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