COLUMN

【強い心の育み方/塚本亮】
<第5回>「自己肯定感」を高める7つの方法(前編)

PROFILE

つかもと・りょう
ジーエルアカデミア代表取締役、マッチャモーレ京都山城代表、同志社大学嘱託講師。高校時代、偏差値30台、退学寸前の問題児から一念発起し、同志社大学に現役合格。卒業後、ケンブリッジ大学大学院で心理学を学び修士課程修了。帰国後、京都にてグローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。心理学に基づいた指導法が注目され、国内外の教育機関や企業、トップアスリートなど6000人に対して世界に通用する人材の育成・指導を行っている。著書は『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)など多数。新著「ヤバいモチベーション完全無欠のやる気を手にする科学的メソッド50」(価格:1,500円税抜/発行:SBクリエイティブ)発売中。

子どもの成長のために、良かれと思って言っていることが実はマイナスに働いていたり、「育てよう」と強く思うほど、「育たない」ことにつながる。そんな悩みをみなさんお持ちなのではないでしょうか? 『すぐやる人とやれない人の習慣』(シリーズ40万部突破)の著者であり、心理学に基づいた指導法で教育コンサルタント、メンタルトレーナー、心理カウンセラーとして活躍する塚本亮さんが、子どもの「心」を強くするための習慣ついて連載でお届けします。

文=塚本 亮

 

自己肯定感という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。自分の在り方や価値や存在意義を前向きに評価できる感情のことです。もう少し噛み砕くと、自分のことを前向き、肯定的に受け止められる感情のことを意味します。

自己肯定感が高いと感情が安定しやすく、日々で起きるさまざまな事象をポジティブにとらえることができます。自分の長所だけでなく、短所も受け入れることができます。また、経験がないことに対しても、「成長できるチャンスだ」と前向きに考えられます。そして「自分は自分だ」と思えていることから、他人を受け入れやすくもなります。

反対に、自己肯定感の低い人は「自分なんてダメだ」という感情を抱きやすく、「失敗したらどうしよう」などといったネガティブな考えが多くなります。他者と比べて劣っている点への意識が高くなり、周囲に対してもネガティブな感情を持ちやすくなります。

なにもネガティブな考えの全てが悪いのではありません。

大切なのはポジティブな考えとネガティブな考えのバランスです。

みなさんも日々経験されているのではないかと思いますが、「新しいことにチャレンジしてみよう」と自己肯定感が高い日もあれば、「どうせ自分なんて」と考えるような自己肯定感の低い日もあります。

何より大切なのはなるべく自己肯定感の高い時間を増やし、自己肯定感の低い時間を減らすこと。自己肯定感が低くなっても、なるべく早く自己肯定感を取り戻せるようになること。

近年、自己肯定感に関する本がたくさん出版されていることからも考えられるように、自己肯定感の低さに悩んでいる大人がたくさんいるということでしょう。もちろん大人になってからでも、自己肯定感を改善する方法はあります。

しかし、これは子どもの頃から蓄積された思考パターンに大きな影響を受けます。だから、私たちが日々子どもたちと接するときに少しポイントを意識することで、彼らの自己肯定感を高めることができるようになるでしょう。

それでは今回と次回との2回に渡って、私たちが子どもに対してできる「自己肯定感」を高める7つの方法をご紹介していきたいと思います。

 

その1 よかったこと探しをする

その日起こった出来事の中からよかったことを子どもと一緒に話し合うことで、前向きにものごとを捉える習慣を身につけることができるようになります。

 

試合で勝った日の帰り道は気分も良く、前向きな話が多くなるでしょう。しかし、勝負事ですから、常にいい結果が出るとは限りません。思い通りにいかず悔しい思いをする日もありますよね。そんな時こそが、自己肯定感を高めるチャンスなのです。

 

思い通りにいかなかった時こそ、それを受け止めるチカラを育むことができます。そのキークエスチョンが、今日の試合でよかったことについて質問するということです。負けたけど、前よりできるようになったこと。負けたからこそ感じたことを次にどう活かそうかというようなことなど。

 

夕飯の支度などで忙しい時であれば、今日一日の中でよかったことを書き出してみるよう働きかけることも良いでしょう。そしてそのあと夕食を食べながら簡単にそれについて話し合ってみてもいいですね。

 

その2 前向きな言葉をかける

前向きな言葉をかけることで、子どもが自分の強みや良さを認識することができます。自分の強みや良さを認識している人は、自己肯定感が高いという研究結果があります。できないことに目を向けるのではなく、あなたのここが良いところだよ、ということを日頃から伝えることで自分自身への理解も深まりますし、他人の良いところへ目を向けることもできるようになります。

 

その3 スキンシップをする

「セロトニン」という言葉を聞いたことはありますか? ハグなどのスキンシップをすることで、オキシトシンという脳内物質が分泌されます。その結果として、幸せホルモンとも言われるセロトニンの分泌が促されるとされています。スキンシップを受けることで自分が価値ある存在だと感じることができ、ストレス耐性も高まります。オキシトシンが分泌されることによって、人への信頼感が増し社交的になりなるという効果も報告されているのです。

 

中学生になると親子でのスキンシップの機会も大きく減るという研究データもあります。恥ずかしいという気持ちが芽生えるでしょうが、肩を軽くトントンと叩いて「最近、頑張ってるね」とか「お疲れ様」とかの声がけ程度でも良いでしょう。

 

 

ちょっとしたことで子どもの自己肯定感を高めることができますし、私たち大人の自己肯定感を高める効果もあります。少しずつで構わないので親子でトライしてみてはいかがでしょうか。次回は残りの4つのポイントをご紹介します。お楽しみに。

 

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回も宜しくお願い致します。

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