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【♯02】中島輝│ やるべきは、自分自身の怒りのコントロール。チーム・組織における「怒りのトリセツ」-前編-

自身の引きこもり経験克服を機に独自のコーチングメソッドを開発し、多数の企業経営者、アスリートなどのカウンセリングを務める中島輝氏。ベストセラー『自己肯定感の教科書』の著者であり、自己肯定感の第一人者として注目を集める人気カウンセラーが、社会で生き抜くために必要な実践的な技術を連載形式でお届けする。

写真/川しまゆうこ 

 

心理カウンセラーの中島輝です。

今回、とり上げるテーマは「怒り」です。「喜怒哀楽」に含まれているように、怒りは誰もが持っている感情のひとつ。感情は個人のものではありますが、もちろんチームや組織にも大きな影響を及ぼします。

その影響とはどんなもので、怒りとうまくつき合っていくためにはどんな方法があるのでしょうか。まずは、チーム・組織の話をするまえに、個人の怒りについての話からはじめます。

 

「怒り」の感情がわたしたちの心身を守ってくれている

 なぜ「怒り」という感情があるのだと思いますか? 生まれながらにわたしたち人間に怒りという感情が備わっているということは、怒りがわたしたちに必要なものだからです。

 わたしたちは単に「怒り」という見方をしますが、その奥底にある感情はさまざまです。フロイト、ユングと並んで世界3大心理学者とされるアルフレッド・アドラーが創始したアドラー心理学では、怒りを「二次感情」、その怒りのもととなる感情を「一次感情」と呼びます。

 一次感情には、「不安」や「恐れ」、「つらい」「苦しい」「嫌だ」「疲れた」「困った」……といったものがあります。これらの一次感情は、一括りでいうとネガティブな感情といっていいでしょう。そういったネガティブな感情をため込んでしまうと、ひどく落ち込んでしまったり胃が痛くなったりと、心身に不調をきたすことになります。

 でも、多くの場合、一次感情は怒りというかたちをとって吐き出されることで、心身に大きな不調をもたらすところまでには至りません。つまり、怒りがわたしたちの心身を守ってくれていると見ることができるのです。

 

怒りと上手につきあうためにもっとも重要な「メタ認知」

 もちろん、そうはいっても、怒りにはわたしたちにとって好ましくない面もあります。他人に理不尽な怒りをぶつけられれば誰だっていい気持ちはしませんし、自分自身に苛立ってなにかに怒りをぶつけるようなことも健全なこととはいえません。

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