ラグビーワールドカップ2019における日本代表の「ONE TEAM」のチームの結束力は、選手個々がそれぞれのポジションの役割を明確に遂行したことで生れた。自分の強みを理解し、生かし、発揮するチカラ、それは「セルフプロデュース力」に置き換えられる。自らの能力を最大限発揮できる子どもに育てるにはどうしたらよいのか? ラグビー界のキーマン二人に聞いた。(※2020年10月に収録)
目次
ポジションの役割が明確なラグビーは
選手の個性が表れやすい
──現役時代は神戸製鋼コベルコスティーラーズでプレイされ、引退後は指導者や実業家として活躍されている野澤武史さん、そして日本代表としてプレイした2015年のラグビーワールドカップで歴史的勝利に貢献され、現在はアメリカの「ニューイングランド・フリージャックス」に所属する畠山健介選手、よろしくお願いいたします。野澤さんは以前「ラグビー選手は恥ずかしがらず、行動的な方が多い」と言われていましたが、ラグビーをやる方の特質というのはあるんでしょうか?
野澤 ラグビーというのは、「フォワード」と「バックス」というものに大きく分かれています。フォワードは「スクラム」といって、おしくらまんじゅうみたいなことをする側のこと。そしてバックスというのは足が速くて走っていくようなポジションです。フォワードの選手の方は比較的恥ずかしがらずに、なんでもやる人間が多いような感じがしますね。直感ですけど。
──なるほど。畠山さん、どうなんですか?
畠山 そうですね…多分世代なのか、(僕は)結構恥ずかしがることが多かったと思いますけど(笑)。
――違うんですか(笑)。
畠山 いやいや。野澤さんの代の方とかは豪快な方とかエネルギッシュな方がたくさんいらっしゃったので、そういう方達がたくさんいらっしゃったと思うんですけど。僕たちの世代は、比較的…(苦笑)。フォワードでもやっぱり引っ込み思案だったり、「やれよ」って言われると「できないよ……」みたいな、怖気付くやつも普通にいたので。その辺はもしかしたら、時代とか世代とかっていうのもあるかもしれないですね。
野澤 まあ、あとは…地域差もあるかもしれないですね。やっぱり関西人はすごい…出てきますよ。頼んでないのに、練習前に一発芸やってくれたりとか(笑)。小さい頃から吉本新喜劇を見て育ってるんで、笑いのベースがありますよね。
畠山 それは本当にそうかもしれないですね。
──今のお話でいうと、フォワードとバックスって、性格も如実に違うものなんですか。足が速いとか、スクラム組むためのパワーとか素質もあると思うんですけど、性格的なものには左右されないのですか?
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