ラグビー日本代表の野澤武史氏をホストにペシャルゲストを迎えるこのコーナー。第2回のゲストは明治大学ラグビー部を22年ぶりの大学選手権優勝に導いた名将・田中澄憲監督と、東福岡高校ラグビー部を全国屈指の強豪校に押し上げた藤田雄一郎監督。長年にわたり名選手を輩出してきた二人が考える“成功する選手”が持っている力とは?(※2021年1月に収録)
目次
成功する選手の共通点は「ハングリー精神」と「受け入れる力」
野澤 今回は、現役の指導者の方にさまざまなことを聞いていきたいと思います。本日のゲストにご登場いただきましょう。2018年度、明治大学ラグビー部22年ぶりの大学日本一へと導いた田中澄憲監督。そして、東福岡高校を全国屈指の強豪校に押し上げた、藤田雄一郎監督です。御二方、どうぞよろしくお願いします!
田中・藤田 よろしくお願いします。
野澤 今回は、学生アスリートを見極めて育てることを専門にされてきたお二方に、お話を伺えればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。まず、田中監督に質問です。長年サントリーさんのチームディレクターをされておりましたが、採用という立場から見て、高校生や大学生が成功する選手になるために、どんな要件が必要だとお考えですか。
田中 自分がこれまで指導者として、採用する側の立場として、いい選手になるだろうな、と感じたのは、自分が成長していくことに対して貪欲な選手ですね。これが一番重要かなと思います。その上で、その成長に対して自分で考えて努力ができる、ということ。そのためにはコーチやスタッフの話を聞き入れて取捨選択を自分でしていく……こういう選手が、総じて伸びていくのかなというふうに感じています。
野澤 それは学年や年代でも、共通しているところなのでしょうか?
田中 (大学に)入ってきた時からそういう選手もいます。逆に、最初は自分で能力を信じていない子もいます。試合に出てからその能力に気付き始めたり、成長したいという欲が出たりすることもありますね。そういう意味では、人それぞれなんじゃないかなと思います。
野澤 田中監督はサントリーでも長らく組織運営に携わっていましたが、それは、(ジャパンラグビー)トップリーグでもそうなんでしょうか。トップ選手は最初から他の選手よりも勝っているものを持っていなきゃいけないと思うんですが。それでも何か差を生んでいくということが大事なのでしょうか。
田中 トップリーグで勝ち残っていくとなれば、相当ハングリーでないと難しいんじゃないですかね。才能だけでは決して、成功するということはないと思います。
野澤 なるほど。では藤田さんに質問ですが、成功した選手に共通点はありますか? 逆にうーん……というパターンもあれば教えてください。
藤田 田中さんと共通するところはあるのですが、人の話をよく聞く子というか、指導されていることに対して受け入れるチカラがある子は成長すると思います。そこで自分自身で噛み砕いて取捨選択できることは大切ですね。
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