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関塚隆│『育てて勝つ』~育成における選手の見極め方・接し方・育て方~

アスリートの将来を大きく左右する指導者には、選手の見極めや選手へのアプローチなど、多くのノウハウが求められる。今回は、サッカー男子日本代表監督・日本サッカー協会技術委員長の経歴を持つ関塚隆さんを招き、2012年のロンドン五輪でサッカー男子日本代表を44年ぶりのベスト4へ導いた名伯楽に選手の育成に関するヒントを伺った。(※2022年6月に収録)

自分の「ベスト」は今よりもっと上にある

──関塚さんは、2012年のロンドン五輪でU-23日本代表を44年ぶりのベスト4へと導かれました。それまでの道のりは、どのようなものでしたか?

 

「U-21代表監督に就任したのは、約2年前の2010年です。2010年の南アフリカワールドカップが終わった8月に準備して、9月にU-21のチームを立ち上げました。そこから代表監督として、U-22、U-23と指導にあたりました。また、ザック(アルベルト・ザッケローニ)ジャパンのコーチとしてA代表のサポートも兼任していましたね」

──今のU-23には、海外やJリーグで活躍している選手も数多くいますね。選手を最初に見た時に、「この選手はぐっと伸びるな」「この選手は違うものを持っているな」と感じることはありましたか?

 

「色んな選手がいましたね。U-21時点で主力の選手もいれば、レギュラーになれずくすぶっている選手もいました。最初のアジア大会(中国、広州)では優勝しましたが、Jリーグが佳境の11月だったために、大学生選手の多くが派遣してもらえませんでした。その中で大学のサッカー連盟に納得していただき、大学生を多く連れて試合に臨みましたね。ボランチの山口蛍君のように、当時のメンバーでオリンピックに出た選手もいます。彼らは、その時から本当に成長したなと感じています」

──光る何かを持っている選手には、どのような特徴がありますか?

 

「大学・Jリーグを問わず、自分に矢印を向けられる選手は成長します。自分の強みを活かしながら、課題もしっかり認識して、経験を積んでいく。あとは、『もっと上でやりたい』という意欲にあふれる選手ですね。自分の『ベスト』は今じゃなくて、もっと上にある。指導者としても、選手がそう思えるような状況を常に作っていくことが大事です」

──関塚さんは2018年にサッカー協会に入り、同年4月からは技術委員長を約3年間にわたり務められました。日本サッカーの指針を示す存在かと思いますが、この3年間を振り返るといかがですか?

 

「今のサッカー協会は、4つの柱を持って取り組んでいます。一番大きなものは『代表強化』、ピラミッドの頂点を高くすることです。そのためには『選手育成』、代表に上がっていく選手を育てる必要があります。よい選手を育成するためには、『指導者養成』も欠かせません。オールジャパンで戦っていく指導者を、ライセンス取得に向けた指導なども含めて作っていく。そしてグラスルーツ、『普及活動』です。子どもからサッカーに触れられる環境を作る。シニア世代もお母さん方も、サッカーできるような環境を目指して取り組んでいます」

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